関係者のあいだで「だいたい同じ方向を向いている」状態のこと。英語の consensus をそのままカタカナにした言い方です。
多数決ではありません。票を数えて勝ち負けを決めるのではなく、強い反対が出ない状態まで持っていくことを指します。
英語の発音は /kənˈsensəs/(コンセンサス)。綴りは c ではなく s で consensusです。ここを間違える人が非常に多い単語です。
「コンセンサス」の意味|まず結論から
コンセンサスとは 「関係する人たちのあいだで得られた大まかな合意」のことです。
全員が心から賛成している必要はありません。
「強く反対する人がいない」「この方向で進めることに異論が出ない」という状態も、コンセンサスが取れていると表現します。
日本のビジネスの場では、こういう形で使われます。
- 「社内のコンセンサスを取ってから進めます」=関係部署に話を通して了解を得てから
- 「まだコンセンサスが取れていません」=関係者の足並みがそろっていません
- 「市場のコンセンサスは増益」=アナリストたちの見通しの平均的な線
3つ目は金融の世界の使い方です。
複数の専門家の予想を集めたときの「まん中あたりの見通し」を指し、コンセンサス予想という形で登場します。
「コンセンサス」の語源|con + sentire に分けると見える
consensus はラテン語からそのまま英語に入った単語です。
分解すると con-(一緒に)+ sentire(感じる、思う) になります。
つまり成り立ちを直訳すると「一緒に感じていること」です。
議論して決めた結論ではなく、みんなが同じように感じている状態という語感が、語源の段階から入っています。
英語では17世紀に、まず医学の用語として使われはじめました。
体の一部が動くと別の部位が連動する現象を指す語で、こちらも「一緒に感じる」という原義そのものです。
「大勢の意見の一致」という今の意味で広く使われるようになったのは19世紀半ばからです。
「コンセンサス」の綴りで間違えやすい点|concensus は誤り
英語で書くときにいちばん多い誤りが concensus という綴りです。
真ん中は c ではなく s。正しくは consensus です。
なぜ間違えるかというと、census(国勢調査)という別の単語につられるからです。
| 単語 | もとのラテン語 | 意味 |
|---|---|---|
| consensus | sentire(感じる) | 意見の一致 |
| census | censere(数える、評価する) | 国勢調査 |
語源がまったく別なので、意味の上でもつながりはありません。
sense(感じる)の s だと結びつけて覚えると、綴りを間違えなくなります。
「コンセンサス」の発音とフォニックス|どこを強く読むか
日本語のコンセンサスは6文字を平らに読みますが、英語は真ん中だけが高く出ます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発音記号 | /kənˈsensəs/ |
| 強く読む場所 | 2音節目 sen |
| 1音節目 con | あいまい母音 /kən/(弱く「クン」) |
| 3音節目 sus | あいまい母音 /səs/(弱く「サス」) |
3つある母音のうち、はっきり読むのは真ん中の e だけです。
「コンセンサス」ではなく「クンセンス」に近い形になります。
前後をつぶして真ん中を立てるのが英語のリズムの基本で、この語はその典型です。
ビジネスでの「コンセンサス」の使い方と例文
日本語の会話でそのまま使える形を並べます。
- 「事前にコンセンサスを取っておきます」
- 「関係部署のコンセンサスが得られました」
- 「この案はコンセンサスが形成されつつあります」
- 「コンセンサスなしで進めるのは避けたい」
動詞は「取る・得る・形成する」が定番です。
「コンセンサスする」という動詞の形は日本語として不自然なので使いません。
英語で「コンセンサス」と言いたいときの正しい言い方
英語でも consensus はそのまま通じます。
ただし動詞の組み合わせが日本語と違います。
- We need to reach a consensus first.(まず合意を取る必要があります)
- There is no consensus on this issue.(この件では意見が一致していません)
- The decision was made by consensus.(全体の合意で決まりました)
- I’d like to build consensus within the team.(チーム内で合意を作りたいです)
「取る」に引っぱられて take a consensus とは言いません。
使うのは reach(到達する)か build(築く)です。
前置詞は on を取り、consensus on ~ で「~についての合意」となります。
「コンセンサス」と間違えやすい言葉|合意・同意・多数決
似た日本語がいくつもあるので、決め方の強さで並べて整理します。
| 言葉 | 決まり方 | 反対者の扱い | 英語 |
|---|---|---|---|
| コンセンサス | 強い反対が出ないところまで調整 | 反対は残っていてもよい | consensus |
| 全会一致 | 全員が賛成 | 1人でも反対なら不成立 | unanimity |
| 多数決 | 票の数で決定 | 少数意見は退けられる | majority vote |
| 同意 | 個人が受け入れる | 1対1の関係 | consent |
| 根回し | 会議の前に個別に説明 | 手続きであって結果ではない | groundwork |
日本語で「コンセンサスを取る」と言うとき、実際にやっているのは根回しに近い個別の調整であることが多いものです。
英語の consensus は結果としての状態を指すので、その差を意識しておくと会話がずれません。
「コンセンサス」を音から覚える|シャドーイング用の練習文
太字を強く、それ以外を軽く読んでください。
- Let’s reach a consensus.(合意を取りましょう)
- There’s no consensus yet.(まだ意見が一致していません)
- We decided by consensus.(合意で決めました)
- It’s the general consensus.(それが大方の見方です)
- I want to build consensus.(合意を作りたいです)
最初の con は「コン」と伸ばさず、口を軽く閉じるだけの音にします。
この弱め方は control、connect、consider にもそのまま使えます。
「コンセンサス」とつながる言葉のネットワーク
語源の sentire(感じる)は英語に多くの枝を伸ばしています。
| 単語 | 意味 | 成り立ち |
|---|---|---|
| sense | 感覚、意味 | 感じること そのもの |
| consent | 同意する | 一緒に感じる |
| dissent | 異を唱える | 離れて感じる |
| assent | 賛成する | ~へ向けて感じる |
| resent | 腹を立てる | 感じ返す |
| sentiment | 心情 | 感じている中身 |
con-(一緒に)と dis-(離れて)が正反対を作っている点に注目してください。
consent と dissent の対比を押さえておくと、会議の英語資料が読みやすくなります。
「コンセンサス」が使えるか試す練習問題
答えは各問をタップすると開きます。
- 問題1 「まず合意を取る必要があります」を英語で
-
We need to reach a consensus first. ── take ではなく reach を使います。
- 問題2 consensus と concensus のどちらが正しい綴りか
-
consensus。語源が sentire(感じる)なので、真ん中は s です。census とは無関係です。
- 問題3 consensus はどの音節を強く読むか
-
2音節目の sen。/kənˈsensəs/ となり、前後の母音は弱いあいまい母音になります。
- 問題4 「この件では意見が一致していません」を英語で
-
There is no consensus on this issue. ── 前置詞は on を使います。
- 問題5 dissent は consent とどう違うか
-
consent は「一緒に感じる=同意する」、dissent は「離れて感じる=異を唱える」。接頭辞が正反対を作っています。
「コンセンサス」のよくある質問
- コンセンサスと全会一致は同じ意味ですか
-
違います。全会一致は全員が賛成した状態で、1人でも反対すれば成立しません。コンセンサスは強い反対が出ないところまで調整できていれば成立し、内心の不賛成が残っていても構いません。
- 「コンセンサスを取る」は英語でそのまま言えますか
-
take a consensus とは言いません。reach a consensus(合意に至る)または build consensus(合意を築く)を使います。日本語の「取る」を直訳しないのがポイントです。
- コンセンサス予想とは何ですか
-
複数のアナリストが出した業績予想を集計し、平均や中央値でならしたものです。個々の予想ではなく市場全体の見方を示す数字として使われます。
- コンセンサスと根回しはどう違いますか
-
根回しは会議の前に個別説明して回る手続き、コンセンサスはその結果として得られる状態です。手段と結果の関係なので、並べて比べるものではありません。
まとめ|「コンセンサス」はこう覚える
- 意味:強い反対が出ない状態までそろった合意。全会一致とは別物
- 語源:con-(一緒に)+ sentire(感じる)。「一緒に感じていること」
- 綴り:真ん中は s。concensus は誤り。census とは無関係
- 発音:/kənˈsensəs/。真ん中の sen だけを強く読む
- 英語で言うなら:reach a consensus / build consensus(take は使わない)
カタカナのコンセンサスを知っていることと、consensus を英語の文で動かせることは別のことです。
この記事の練習文5本を声に出しておけば、英語の会議で合意形成の話になったときにそのまま口に出せます。
出典・参考文献|コンセンサス
この記事の語源・綴り・発音についての記述は、以下の資料で確認しました(最終確認:2026年9月5日)。
- consensus の語源(ラテン語 consensus「一致、同意」、consentire=com-+sentire に由来すること/17世紀に生理学の用語として英語に入り、19世紀半ばに「一般的な意見の一致」の意味へ広がったこと)= Online Etymology Dictionary「consensus」
- consensus の発音記号と語形= Wiktionary「consensus」
- consensus の語義と reach / build との結びつき方= Cambridge Dictionary「consensus」
- census の語源(ラテン語 censere「評価する、数える」)= Online Etymology Dictionary「census」
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