「ワーキング・ホリデー」の略で、休暇として相手国に滞在しながら、その滞在費を補うための就労が認められる制度のことです。
主役はあくまで「休暇」のほうで、働くことは付随的なものだと外務省が定義しています。
英語の発音は イギリス /ˈwɜː.kɪŋ ˈhɒl.ə.deɪ//アメリカ /ˈwɝː.kɪŋ ˈhɑː.lə.deɪ/。英語では略さず working holiday と言います。
「ワーホリ」の意味|まず結論から
ワーホリは 「ワーキング・ホリデー」の略です。
もとの英語は working holiday。working(働く、仕事の)と holiday(休暇)を並べた言い方です。
日本語の会話では、こういう形で使われます。
- 「来年ワーホリに行くつもり」=制度を使って海外に滞在するつもり
- 「ワーホリビザを申請中です」=ワーキング・ホリデー査証の申請中です
- 「ワーホリ経験者です」=この制度で海外に滞在したことがあります
ここでいちばん取り違えられるのが、制度の目的です。
外務省の説明では、この制度は「休暇目的の入国及び滞在」が本体で、就労はその滞在資金を補うための付随的なものと位置づけられています。
つまり「働きに行くための制度」ではありません。
日本は1980年(昭和55年)にオーストラリアとの間で始め、2026年2月1日現在で31か国・地域との間にこの制度があります。
「ワーホリ」の語源|working と holiday に分けると見える
working のもとは work です。
古英語の weorc(行い、作られたもの)にさかのぼり、さらに印欧祖語の *werg-(する、行う)という根っこに行き着きます。
この根っこは英語の外にも伸びていて、ギリシャ語の ergon(仕事)を通って energy(エネルギー)や synergy(相乗効果)にもつながっています。
おもしろいのは holiday のほうです。
この語は古英語の hāligdæġ、つまり halig(聖なる)+ dæġ(日)でできています。
もとの意味は「聖なる日、教会の祝日」でした。
14世紀には「宗教上の祝日」と「労働を離れる日」の両方を指すようになり、16世紀に発音も意味も holy day と分かれていきます。
holiday が holy day と別の単語のように見えるのは、この分かれ道の名残です。
そう考えると working holiday は、「働く」と「聖なる日」という、もともと正反対の方向を向いた2語をくっつけた言い方だということになります。
「ワーホリ」の発音とフォニックス|working holiday はこう読む
日本語の「ワーホリ」は短いのに、英語の working holiday は音の山が2つある長い語です。
| 語 | イギリス | アメリカ | カタカナで近い音 |
|---|---|---|---|
| working | /ˈwɜː.kɪŋ/ | /ˈwɝː.kɪŋ/ | ワーキン |
| holiday | /ˈhɒl.ə.deɪ/ | /ˈhɑː.lə.deɪ/ | ホリデイ |
つまずきどころは3つあります。
- wor の音:/ɜː/ は日本語の「オ」ではなく、口をあまり動かさずに出す曖昧な音です。アメリカ英語ではここで舌を巻きます(/ɝː/)
- -ing の音:/ŋ/ は鼻に抜ける音で、最後の「グ」をはっきり足しません
- -day の音:/deɪ/ は「デー」と伸ばさず、「デイ」と2つの音を続けます
フォニックスで見ると、holiday の ho は短い母音です。
イギリス英語では /hɒ/(口を丸めた短いオ)、アメリカ英語では /hɑː/(口を開けたアーに近い音)になります。
強く読むのは WORK-ing HOL-i-day の2か所です。
日本語の「ワーホリ」は、この2つの強い音だけを抜き出した略し方だと考えると覚えやすくなります。
「ワーホリ」の制度としての中身|外務省の定義で確認する
語の意味だけでなく、制度としての形も押さえておくと誤解が減ります。
以下は外務省が示している内容です(2026年2月1日現在)。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 制度の趣旨 | 相手国・地域の青少年に、休暇目的の入国と、滞在資金を補うための付随的な就労を認める。相互理解を深めることが目的 |
| 始まり | 1980年(昭和55年)オーストラリアとの間で開始 |
| 相手国・地域 | 31か国・地域 |
| 年齢 | 査証申請時に18歳以上30歳以下(オーストラリア・カナダ・韓国・アイルランドとの間では18歳以上25歳以下。各政府当局が認める場合は30歳以下まで申請可能) |
| 同伴 | 子または被扶養者を同伴しないこと |
| お金と書類 | 有効な旅券と帰りの航空券等(または購入資金)、当初の生計を維持するために必要な資金を持っていること |
| 回数 | 原則として、以前にワーキング・ホリデー査証の発給を受けていないこと(一部の国・地域を除く) |
回数の条件は近年見直しが入っています。
日本人については、カナダ・スロバキア・韓国・台湾で一生涯2回の参加が可能になりました(2026年2月1日現在)。
英国は2008年から、ユース・モビリティ・スキームという名前の制度で最長2年間の滞在が認められています。
なお発給要件は国・地域ごとに違います。
実際に申請する前に、必ずその国の駐日外国公館の案内を自分で確認してください。
日常での「ワーホリ」の使い方と例文
日本語では名詞として使い、「ワーホリに行く」「ワーホリビザ」「ワーホリ枠」のように他の語とくっつきます。
- 予定を話すとき:「4月からワーホリでカナダに行きます」
- 手続きの話:「ワーホリビザの申請は駐日大使館に出します」
- 経験を言うとき:「学生のころワーホリで1年オーストラリアにいました」
気をつけたいのは相手です。
制度を知らない人には略さず「ワーキング・ホリデー制度」と言うほうが伝わります。
書類や公式な文章でも、外務省の表記に合わせて「ワーキング・ホリデー」と書くのが無難です。
英語で「ワーホリ」と言いたいときの正しい言い方
ここが日本人のつまずくところです。
英語で「ワーホリ」とは言いません。
略さずに working holiday と言い、前置詞は on を使います。
| 言いたいこと | 英語 |
|---|---|
| ワーホリでオーストラリアに行きます | I’m going to Australia on a working holiday. |
| ワーホリビザを申請中です | I’m applying for a working holiday visa. |
| ワーホリで1年ニュージーランドにいました | I spent a year in New Zealand on a working holiday. |
| ワーホリのビザはいつまで有効ですか | How long is your working holiday visa valid? |
よくある間違いが、working holiday を動詞のように使ってしまうことです。
「ワーホリする」に引っぱられて I’m going to working holiday. と言ってしまいがちですが、working holiday は名詞のかたまりなので、go on a working holiday の形にします。
もう1つ知っておくと役に立つのが、国によって制度の呼び名が違うことです。
英国では youth mobility scheme(ユース・モビリティ・スキーム)という名前で運用されています。
「ワーホリ」と間違えやすい言葉|留学・駐在・ギャップイヤー
似た場面で使われる語を、英語とセットで並べます。
見分ける軸は「主目的が何か」だけです。
| 日本語 | 英語 | 主目的 |
|---|---|---|
| ワーホリ | working holiday | 休暇。滞在資金を補う就労が認められる |
| 留学 | study abroad | 学ぶこと。学生としての在留資格 |
| 語学留学 | language study abroad | 語学学校に通うこと |
| 駐在 | overseas assignment | 会社の仕事。会社の指示で赴任する |
| 海外就職 | working abroad | 働くこと。就労のための資格が要る |
| ギャップイヤー | gap year | 進学や就職の前後に取る期間の呼び名。制度名ではない |
この中でワーホリだけが、休暇と就労の両方を1つの資格の中に含んでいます。
ただし順番は「休暇が主、就労が従」です。
ここを取り違えると、申請書類に書く滞在目的の説明から外れてしまいます。
「ワーホリ」を音から覚える|シャドーイング用の練習文
意味を知っていても、とっさに口から出なければ使えません。
短い文を、音を真似ながら声に出すのがいちばん早い方法です。
まずはゆっくり3回、次に自然な速さで3回読みます。
- I’m on a working holiday. (アイム・オナ・ワーキン・ホリデイ)
- I’m going to Australia on a working holiday.
- I’m applying for a working holiday visa.
- She spent a year in New Zealand on a working holiday.
- How long is your working holiday visa valid?
- A working holiday isn’t only about working.
1から6へ進むにつれて文が長くなります。
短い文が言えないうちに長い文へ進まないのがコツです。
口の形は1か所だけ意識します。
working の wor で唇を軽くすぼめ、舌をどこにも当てないまま音を出すと、日本語の「ワー」から離れた音になります。
「ワーホリ」とつながる言葉のネットワーク
ひとつの語を覚えるとき、同じ部品を持つ語をまとめて覚えると定着が早くなります。
| つながり方 | 語 | 意味 |
|---|---|---|
| work でつながる | workplace / workload / coworker / working hours | 職場/仕事量/同僚/勤務時間 |
| 印欧祖語 *werg- でつながる | energy / synergy | エネルギー/相乗効果(ギリシャ語 ergon「仕事」を経由) |
| holiday でつながる | public holiday / on holiday / holiday season | 祝日/休暇中/年末の休暇時期 |
| 休暇の言い方 | vacation / leave / time off | 米語の休暇/(有給などの)休暇/仕事を離れる時間 |
この表で覚えておくと役に立つのが vacation です。
語源はラテン語の vacare(空である、手が空いている)で、「英国で holiday と呼ぶものの米国版」として1878年から記録されています。
アメリカ英語では holiday が「祝日」の意味に寄るので、長期の休みは vacation と言うほうが誤解されません。
「ワーホリ」が使えるか試す練習問題
読んだだけでは身につきません。
答えを見る前に、口に出して言ってみてください。
- 問題1 「ワーホリでカナダに行きます」を英語で
-
I’m going to Canada on a working holiday. ── 前置詞は on、冠詞の a を落とさないのがポイントです。
- 問題2 working holiday を動詞のように使えるか
-
使えません。名詞のかたまりなので、go on a working holiday のように動詞を別に置きます。
- 問題3 holiday はもともとどんな意味だったか
-
古英語 hāligdæġ で「聖なる日、教会の祝日」。halig(聖なる)+ dæġ(日)でできています。
- 問題4 アメリカ人に「長期休暇」と伝えたい。holiday と vacation のどちらを使うか
-
vacation。アメリカ英語では holiday は祝日の意味に寄ります。
- 問題5 この制度の主目的は「働くこと」か「休暇」か
-
休暇です。外務省の定義では、就労は滞在資金を補うための付随的なものと位置づけられています。
5問すべて口に出して答えられたら、この語はもう使えます。
詰まった問題があれば、その章だけ読み直してください。
「ワーホリ」のよくある質問
- ワーホリは何歳まで申請できますか
-
外務省の案内では、査証申請時の年齢が18歳以上30歳以下であることが主な発給要件とされています。オーストラリア・カナダ・韓国・アイルランドとの間では18歳以上25歳以下ですが、各政府当局が認める場合は30歳以下まで申請できます(2026年2月1日現在)。実際の条件は国・地域ごとに違うため、駐日外国公館の案内で確認してください。
- ワーホリは何か国と結ばれていますか
-
2026年2月1日現在で31か国・地域です。1980年のオーストラリアを皮切りに、ニュージーランド、カナダ、韓国、フランス、ドイツ、英国と広がってきました。
- ワーホリは2回行けますか
-
主な発給要件は「以前にワーキング・ホリデー査証を発給されたことがないこと」ですが、一部の国・地域では見直しが行われています。日本人はカナダ、スロバキア、韓国、台湾で一生涯2回の参加が可能になりました(2026年2月1日現在)。
- 英語で「ワーホリ」と略しても通じますか
-
通じません。ワーホリは日本語の中でできた略語です。英語では working holiday と言い、I’m going on a working holiday. のように on を添えて使います。
- ワーホリと留学は何が違いますか
-
主目的が違います。留学は学ぶことが目的で学生としての在留資格を取りますが、ワーホリは休暇目的の滞在で、その資金を補う範囲の就労が認められます。制度としての位置づけが違うので、申請の窓口も書類も別のものになります。
まとめ|「ワーホリ」はこう覚える
- 意味:ワーキング・ホリデーの略。休暇目的の滞在に、資金を補う就労が付随する制度
- 語源:work(印欧祖語 *werg-「する」)+ holiday(古英語 hāligdæġ「聖なる日」)
- 発音:英 /ˈwɜː.kɪŋ ˈhɒl.ə.deɪ/、米 /ˈwɝː.kɪŋ ˈhɑː.lə.deɪ/。強く読むのは work と hol の2か所
- 英語で言うなら:I’m going to Australia on a working holiday.
- 混ぜない語:留学は学ぶこと、駐在は会社の仕事、海外就職は働くことが主目的
「ワーホリ」という略語を知っていることと、英語の working holiday を使えることは別のことです。
この記事の練習文6本を声に出しておけば、次に海外で滞在の目的を聞かれたとき、そのまま答えられます。
出典・参考文献|ワーホリ
この記事の語源・綴り・発音についての記述は、以下の資料で確認しました(最終確認:2026年9月5日)。
- 制度の趣旨、1980年オーストラリアとの開始、31か国・地域という数、年齢要件(18歳以上30歳以下/一部の国・地域は18歳以上25歳以下)、参加回数の見直し、英国のユース・モビリティ・スキーム= 外務省「ワーキング・ホリデー制度」(令和8年2月1日)
- holiday の語源(古英語 hāligdæġ「聖なる日」/14世紀の二重の意味/16世紀に holy day と分かれたこと)= Online Etymology Dictionary「holiday」
- work の語源(古英語 weorc/印欧祖語 *werg-「する」)と、ギリシャ語 ergon を経由する energy・synergy とのつながり= Online Etymology Dictionary「work」、同「energy」
- vacation の語源(ラテン語 vacare「空である」)と、英国の holiday に対する米国版として1878年から記録されること= Online Etymology Dictionary「vacation」
- holiday と working の発音記号(英 /ˈhɒl.ə.deɪ/、米 /ˈhɑː.lə.deɪ/、英 /ˈwɜː.kɪŋ/、米 /ˈwɝː.kɪŋ/)と、英国の holiday が米国の vacation にあたること= Cambridge Dictionary「holiday」、同「working」
- holiday の異形発音と古英語形= Wiktionary「holiday」
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