動作や状態の「どのように」「どのくらい」をくわしくする語です。活用がなく、主に動詞・形容詞・形容動詞にかかります。
見分け方はひとつだけ覚えれば足ります。
活用せず、体言ではなく用言にかかっていれば副詞です。
英語では adverb といいます。
発音は イギリス /ˈæd.vɜːb//アメリカ /ˈæd.vɜɹb/ で、アクセントは最初の ad に置きます。
副詞とは?|一言でいうと「様子と程度をくわしくする語」
副詞は、学校で習う品詞のひとつです。
性質は3つの条件でまとまります。
①自立語である ②活用しない ③主に用言を修飾する、この3つです。
- 「ゆっくり歩く」=どのように歩くか
- 「とても大きい」=どのくらい大きいか
- 「決してあきらめない」=文末の「ない」とセットで働く
3つの例は、すべて「歩く」「大きい」「あきらめない」という用言にかかっています。
ここが名詞や連体詞との分かれ目です。
副詞がかかる先は、原則として用言だと覚えてください。
修飾する語のすぐ前に置かれることが多いのも特徴です。
ただし日本語の副詞は語順がゆるく、離れた位置に立っても文が壊れません。
なお副詞は「無くても文が成り立つ」語です。
「歩く」だけでも文は通ります。
無くても通るのに、あると情報が一段こまかくなる。
それが副詞の役目です。
日本語の副詞の種類一覧|状態・程度・呼応の3つ
学校文法では、副詞を大きく3つに分けます。
| 種類 | 答える問い | 主にかかる相手 | 例 |
|---|---|---|---|
| 状態の副詞 | どのように | 動詞 | ゆっくり/そっと/にっこり/ざあざあ/ふと |
| 程度の副詞 | どのくらい | 動詞・形容詞・形容動詞・ほかの副詞 | とても/かなり/少し/ずいぶん/もっと |
| 呼応の副詞 | 文末をどう結ぶか | 文末の言い方 | 決して/たぶん/まるで/なぜ/ぜひ |
状態の副詞には、擬音語・擬態語が数多く含まれます。
「ざあざあ降る」「そっと置く」「にっこり笑う」がその例です。
程度の副詞には、ひとつだけ例外的な働きがあります。
時間や位置を表す名詞にもかかれるという点です。
「もっと右」「ずっと昔」「かなり前」は、いずれも名詞にかかっていますが、これらは程度の副詞として扱われます。
3つ目の呼応の副詞は、陳述の副詞・叙述の副詞とも呼ばれます。
文末に決まった言い方を要求するのが特徴です。
| 呼応の副詞 | 文末の形 | 意味 | 例文 |
|---|---|---|---|
| 決して/少しも | ~ない | 打ち消し | 決して忘れない |
| たぶん/おそらく | ~だろう | 推量 | たぶん来るだろう |
| まるで/あたかも | ~ようだ | たとえ | まるで夢のようだ |
| なぜ/どうして | ~か | 問いかけ | なぜ遅れたのか |
| ぜひ | ~たい/~ください | 願い | ぜひ会いたい |
| もし | ~たら/~なら | 仮定 | もし雨が降ったら |
| まさか | ~まい/~ないだろう | 強い打ち消しの推量 | まさか負けるまい |
| たとえ | ~ても | 逆の条件 | たとえ負けても |
この表の左と右がずれると、文が不自然になります。
「決して忘れる」「たぶん来る」は、文末が受けきれていない形です。
呼応の副詞は、文頭を読んだ時点で文末が決まる語だと考えると扱いやすくなります。
英語の副詞(adverb)の種類一覧|6つに分かれる
英語の adverb は、日本語より守備範囲が広い品詞です。
動詞だけでなく、形容詞・ほかの副詞・句・節・文全体にもかかります。
| 種類 | 答える問い | 例 | 例文 |
|---|---|---|---|
| 様態(manner) | どのように | slowly / carefully / well | She speaks slowly. |
| 程度(degree) | どのくらい | very / quite / almost / too | It’s very cold. |
| 頻度(frequency) | どのくらいの回数 | always / often / sometimes / never | I always walk to work. |
| 時(time) | いつ | now / yesterday / soon / already | He left yesterday. |
| 場所(place) | どこで | here / outside / everywhere | Wait here. |
| 文修飾(sentence) | 話し手の見方 | fortunately / honestly / perhaps | Fortunately, it stopped raining. |
日本語の3分類と重ねると、状態の副詞=様態、程度の副詞=程度、呼応の副詞=文修飾がおおよそ対応します。
ただし完全には重なりません。
英語の頻度・時・場所にあたるものは、日本語では名詞として扱われることが多いためです。
「昨日」「ここ」は日本語では名詞ですが、英語の yesterday・here は副詞に分類されます。
品詞の線の引き方が、言語ごとに違うということです。
副詞と形容詞・連体詞の見分け方
日本語でいちばん迷うのが、副詞・形容詞・連体詞の3つです。
見分ける手順は2つだけです。
①活用するか ②体言と用言のどちらにかかるか、この順で見ます。
| 品詞 | 活用 | かかる相手 | 例 |
|---|---|---|---|
| 副詞 | しない | 用言(動詞・形容詞・形容動詞) | ゆっくり歩く/とても寒い |
| 形容詞 | する(言い切りが「い」) | 体言にも用言にも | 大きい家/大きくなる |
| 形容動詞 | する(言い切りが「だ」) | 体言にも用言にも | 静かな夜/静かに歩く |
| 連体詞 | しない | 体言だけ | この本/大きな家/あらゆる方法 |
よく問われるのが「大きな」と「大きい」の違いです。
「大きな」は活用しないうえに体言にしかかからないので連体詞、「大きい」は活用するので形容詞になります。
英語では、この見分けはもっと機械的です。
形容詞に -ly が付いた形が副詞だと考えると、大半は説明がつきます。
- quick → quickly(そのまま -ly)
- happy → happily(y を i に変える)
- true → truly(e が落ちる)
- good → well(形が変わる)
ただし例外が2種類あります。
1つは fast・hard・late・early のように、形容詞と副詞が同じ形の語です。
もう1つは、friendly・lovely・lonely のように -ly で終わるのに形容詞である語です。
-ly の有無だけで機械的に判定しないのが安全です。
副詞の語順とカンマの位置ルール
日本語の副詞は、置く位置がかなり自由です。
「彼はゆっくり歩いた」「ゆっくり彼は歩いた」のどちらも通じます。
ただし、かかる語の直前に置くほうが誤解されません。
英語は逆で、位置がほぼ決まっています。
とくに頻度の副詞には型があります。
- 一般動詞の前:I often read books.
- be動詞の後:He is always late.
- 助動詞の後:I have never been there.
文末に副詞が複数並ぶときは、「方法 → 場所 → 時」の順に置くのが基本の型です。
She sang beautifully(方法)at the hall(場所)last night(時)という並びになります。
カンマが要るのは、文全体にかかる副詞を文頭に置いたときです。
- Fortunately, we arrived on time.(文頭=カンマを打つ)
- We arrived on time, fortunately.(文末=前にカンマ)
もう1つ位置が独特なのが enough です。
形容詞や副詞にかかるときは後ろに置きます。
He is old enough.(十分な年齢だ)が正しい形で、enough old にはなりません。
名詞にかかるときだけ enough money のように前へ出ます。
副詞(adverb)の発音とフォニックス
adverb は3文字ずつ2つの部品に割ると読みやすくなります。
| 地域 | 発音記号 | カタカナで近い音 | アクセント |
|---|---|---|---|
| イギリス | /ˈæd.vɜːb/ | アドヴァーブ | 第1音節(ad) |
| アメリカ | /ˈæd.vɜɹb/ | アドヴァーブ(r を巻く) | 第1音節(ad) |
つまずくのは3か所です。
- a:/æ/。口を横に開いた「ア」。「エ」に寄せない
- v:上の前歯を下くちびるに当てて息を通す。「ブ」にしない
- er:/ɜː/ または /ɜɹ/。米音では舌をどこにも当てずに巻く
最後の b は必ず発音します。
「アドヴァー」で止めないのが大事です。
語末の b は、くちびるをいったん閉じて開けば足ります。
強く「ブ」と母音を足す必要はありません。
アクセントを第2音節に置くと別の語のように聞こえます。
頭の ad を強く、あとは軽くという形を守ってください。
副詞という言葉の語源|adverb は「動詞に添えるもの」
英語 adverb が記録に現れるのは 14世紀後半です。
もとは後期ラテン語の adverbium。
文字どおりには「動詞に添えられるもの」という意味でした。
分解すると ad-(~へ、~に添えて)+ verbum(動詞・語) です。
verbum は「話す」を表す印欧祖語の語根にさかのぼるとされています。
この語を作ったのは、ローマの文法家フラウィウス・ソシパテル・カリシウスだと記録されています。
ギリシャ語の epirrhema(epi-「~の上に」+ rhema「動詞」)を、ラテン語に訳した語です。
日本語の「副詞」も同じ発想でできています。
主となる語に「副える」語、という意味の訳語です。
ただしこの名づけには、少しずれがあります。
adverb は動詞だけでなく、形容詞やほかの副詞、文全体にもかかるからです。
辞書にも、この語は「ほかの語を補うもの」であって「動詞に限られるわけではない」と注記されています。
名前は動詞由来だが、働く範囲はもっと広いと覚えておくと混乱しません。
副詞を使った例文|場面別に並べる
分類を覚えるだけでは使えるようになりません。
場面ごとに文の形で持っておくほうが早く身につきます。
仕事の場面では、程度と頻度の副詞がよく出てきます。
- I’ll send it shortly.(まもなくお送りします)
- We usually meet on Mondays.(たいてい月曜に集まります)
- The report is almost ready.(報告書はほぼできています)
日常の場面では、様態と場所の副詞が中心になります。
- Could you speak slowly?(ゆっくり話していただけますか)
- Just leave it there.(そこに置いておいてください)
- I hardly know him.(彼のことはほとんど知りません)
意見を言う場面では、文修飾の副詞が働きます。
- Honestly, I don’t think it will work.(正直に言うと、うまくいかないと思います)
- Perhaps we should wait.(もしかすると待つべきかもしれません)
- Unfortunately, the store was closed.(あいにく店は閉まっていました)
文修飾の副詞は、文の中身ではなく、話し手の態度を表す点がほかと違います。
副詞でよくある失敗3つ
日本語話者がつまずく形は、だいたい3つに絞られます。
1つ目は、形容詞をそのまま副詞として使ってしまうことです。
- ⛔ He runs quick. → ✅ He runs quickly.
- ⛔ She sings beautiful. → ✅ She sings beautifully.
見分ける問いはひとつです。
かかっているのが名詞なら形容詞、動詞なら副詞。
a quick runner(名詞)と runs quickly(動詞)を並べて確かめてください。
2つ目は、頻度の副詞の位置です。
- ⛔ I go always to the gym. → ✅ I always go to the gym.
- ⛔ He always is late. → ✅ He is always late.
一般動詞なら前、be動詞なら後ろ。
この2つだけ覚えれば大半は片づきます。
3つ目は、形の似た副詞を同じ意味だと思い込むことです。
| 語 | 意味 | 例文 |
|---|---|---|
| hard | 熱心に、激しく | He works hard.(よく働く) |
| hardly | ほとんど~ない | He hardly works.(ほとんど働かない) |
| late | 遅く | He came late.(遅れて来た) |
| lately | 最近 | I haven’t seen him lately.(最近会っていない) |
hard と hardly は、意味がほぼ逆になります。-ly を足しただけの語だと考えると、正反対の内容を伝えてしまいます。
副詞の練習問題10問|答えと解説つき
読んだだけでは定着しません。
答えを見る前に、自分で口に出してください。
- 問題1 「ゆっくり歩く」の「ゆっくり」は何の副詞か
-
状態の副詞。「どのように歩くか」を表し、動詞にかかっています。
- 問題2 「決して」の文末はどう結ぶか
-
「~ない」。呼応の副詞なので、文末が打ち消しの形になります。「決して忘れない」が正しい形です。
- 問題3 「大きな家」の「大きな」は副詞か
-
副詞ではなく連体詞です。活用せず、体言(家)にしかかからないためです。活用する「大きい」は形容詞になります。
- 問題4 He runs quick. のどこが誤りか
-
quick は形容詞なので、動詞 runs にはかかれません。He runs quickly. が正しい形です。
- 問題5 always を正しい位置に入れる ── I ( ) go to bed early.
-
I always go to bed early. ── 頻度の副詞は一般動詞の前に置きます。
- 問題6 always を正しい位置に入れる ── He ( ) is ( ) busy.
-
He is always busy. ── be動詞のときは後ろに置きます。
- 問題7 hardly の意味は「熱心に」か「ほとんど~ない」か
-
「ほとんど~ない」。熱心にの意味は hard です。He hardly works. は「ほとんど働かない」になります。
- 問題8 「彼は十分な年齢だ」を enough を使って英語で
-
He is old enough. ── enough は形容詞の後ろに置きます。enough old にはなりません。
- 問題9 副詞を文末に3つ並べるときの順番は
-
方法 → 場所 → 時。She sang beautifully at the hall last night. の並びになります。
- 問題10 friendly は形容詞か副詞か
-
形容詞です。-ly で終わっていても副詞とは限りません。lovely、lonely も同じく形容詞です。
10問のうち8問以上が即答できれば、この品詞は使える状態です。詰まった問題の章だけ読み直してください。
副詞についてよくある質問
- 副詞と形容詞のいちばん簡単な見分け方は何ですか
-
かかっている相手を見ることです。名詞(体言)にかかっていれば形容詞、動詞や形容詞などの用言にかかっていれば副詞になります。日本語では活用の有無も手がかりで、言い切りが「い」なら形容詞、活用しないなら副詞か連体詞です。
- 日本語の副詞はいくつに分類されますか
-
学校文法では3つです。状態の副詞、程度の副詞、呼応(陳述)の副詞に分けます。状態は「どのように」、程度は「どのくらい」、呼応は文末の言い方とセットで働く語という区分です。
- 英語の副詞はすべて -ly が付きますか
-
付きません。fast、hard、late、early のように形容詞と同じ形の副詞があります。逆に friendly や lovely のように -ly で終わっても形容詞である語もあります。形だけで判断せず、文の中で何にかかっているかを見てください。
- 頻度を表す語はどこに置けばよいですか
-
一般動詞なら動詞の前、be動詞なら動詞の後ろ、助動詞があるときは助動詞の後ろに置きます。I always go / He is always late / I have never been there の3つの形で覚えると迷いません。
- adverb という英語はどこから来たのですか
-
後期ラテン語 adverbium からで、ad-(~に添えて)+ verbum(動詞・語)でできています。文字どおりには「動詞に添えられるもの」という意味です。ローマの文法家がギリシャ語 epirrhema を訳して作った語だと記録されています。
まとめ|副詞一覧の使い方
- 定義:活用せず、主に用言にかかって「どのように」「どのくらい」を表す自立語
- 日本語の3分類:状態/程度/呼応。呼応は文末とセットで覚える
- 英語の6分類:様態・程度・頻度・時・場所・文修飾
- 見分け方:活用するか、体言と用言のどちらにかかるか。この2手で決まる
- 語源:adverb は「動詞に添えるもの」。ただし実際は形容詞や文全体にもかかる
分類を暗記することと、文の中で正しく置けることは別のことです。
この記事の練習問題10問と、頻度の位置の3つの型を押さえておけば、書くときも話すときも迷う場面が減ります。
出典・参考文献|副詞
この記事の語源・綴り・発音についての記述は、以下の資料で確認しました(最終確認:2026年9月5日)。
- adverb の初出(14世紀後半)と語源(後期ラテン語 adverbium「動詞に添えられるもの」、ad-「~へ」+ verbum「動詞・語」/フラウィウス・ソシパテル・カリシウスがギリシャ語 epirrhema を訳して作った語であること)= Online Etymology Dictionary「adverb」
- adverb の発音記号(RP /ˈæd.vɜːb/、一般米語 /ˈæd.vɜɹb/)と、この語が「動詞に限らずほかの語を補うもの」として名づけられたという注記、およびフランス語 adverbe を経て入った語であること= Wiktionary「adverb」
記述の誤りを見つけられた場合は、訂正の根拠となる資料とあわせてご連絡ください。
確認のうえ、修正した日付を明記して直します。

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