予定を組み直すこと。英語の reschedule(リスケジュール) を日本語で短くした言い方です。
中止でも延期でもありません。「いったん白紙にして、別の日時に置き直す」のがリスケです。
英語の発音は アメリカ /ˌriːˈskedʒuːl/(リースケジュール)/イギリス /ˌriːˈʃedjuːl/(リーシェジュール)。同じ綴りで音が2通りある珍しい単語です。
「リスケ」の意味|まず結論から
リスケは 「リスケジュール」の略です。もとの英語は reschedule。「もう一度スケジュールを組む」という意味の動詞です。
日本のビジネスの場では、こういう場面で使われます。
- 「明日の打ち合わせ、リスケできますか」=別の日時に変えられますか
- 「納期をリスケさせてください」=納期を引き直させてください
- 「リスケの連絡が来た」=日程変更の連絡が来た
ポイントは「なくす」のではなく「置き直す」ということ。予定そのものは生きています。ここを取り違えると、相手に「あの件は流れた」と誤解されます。
なお金融の世界では、リスケはもっと限定的な意味を持ちます。債務のリスケジュール=返済条件の組み直しのことで、こちらが本来の専門用語としての用法です。日常のビジネス会話で「リスケ」と言えば、ほぼ日程変更の意味だと思って構いません。
「リスケ」の語源|re + schedule に分けると見える
reschedule は re-(もう一度)+ schedule(予定を組む) でできています。re- は「再」を表す接頭辞で、restart(再開)、rebuild(建て直す)、rewrite(書き直す)と同じ仲間です。
おもしろいのは schedule のほうです。この語はラテン語の schedula(小さな紙片)にさかのぼります。もとは「短冊のような紙きれ」という意味でした。
紙きれ → その紙に書き出した一覧 → 予定表。「予定」という抽象的な意味は、紙という物からきているわけです。
この道すじが分かると、schedule の綴りに sch という見慣れない並びがある理由も納得できます。14世紀末には cedule・sedule という綴りで英語に入り、15世紀からラテン語をまねて sch- の綴りが使われはじめました。綴りが sch- に変わったあとも、発音は長いあいだ「セデュール」のままだったと記録されています。
「リスケ」の発音とフォニックス|schedule はなぜ2通りあるのか
ここが reschedule のいちばんおもしろいところです。アメリカ英語とイギリス英語で音がはっきり違います。
| 地域 | 発音記号 | カタカナで近い音 | sch の読み方 |
|---|---|---|---|
| アメリカ | /ˌriːˈskedʒuːl/ | リースケジュール | スク(/sk/) |
| イギリス | /ˌriːˈʃedjuːl/ | リーシェジュール | シュ(/ʃ/) |
フォニックスで見ると、sch の3文字がまとまって1つの音になります。日本語の「エスシーエイチ」と読み下すのではなく、かたまりで捉えるのがコツです。
- sch → /sk/:school、scheme、scholar、そして米語の schedule
- sch → /ʃ/:英語圏では英国式 schedule、ドイツ語由来の schnitzel など
school を「スクール」と読めている人は、米語の schedule も同じ /sk/ で読めるということです。新しく覚え直す必要はありません。
もう1つのつまずきが -dule の部分。/dʒuːl/ は「ジュール」に近い音で、d と u がくっついて「ヂュ」になります。education(エヂュケーション)、graduate(グラヂュエイト)と同じ変化です。
では、なぜ英米で音が割れたのか。英国式の「シェデュール」はフランス語の影響、米国式の「スケデュール」は辞書編纂者ノア・ウェブスターがギリシャ語の元の形にそろえた結果だとされています。どちらかが訛りなのではなく、拠りどころにした言語が違うだけです。
そしてアクセントは真ん中の sche。「リスケジュール」と、日本語の略語と同じところが強くなります。日本語の「リスケ」は、実は英語のアクセントの位置をそのまま切り取った略し方なのです。
ビジネスでの「リスケ」の使い方と例文
日本語では「リスケする」「リスケになる」「リスケをお願いする」という形で使います。名詞としても動詞としても使える便利な語です。
- 依頼するとき:「恐れ入りますが、リスケをお願いできますでしょうか」
- 受けるとき:「承知しました。リスケ後の候補日をお送りします」
- 社内で:「先方都合でリスケになりました」
気をつけたいのは相手です。社外・目上には略語を使わないほうが無難。「日程を変更させていただけますでしょうか」と言い換えると、砕けた印象になりません。
リスケという言い方は、社内のスピード感を出す場面では便利ですが、相手が略語を知らない可能性もあります。通じるかどうかを相手基準で決めるのが安全です。
英語で「リスケ」と言いたいときの正しい言い方
ここが日本人がいちばんつまずくところです。英語で「リスケ」とは言いません。reschedule を略さず、そのまま動詞として使います。
| 言いたいこと | 英語 |
|---|---|
| 日程を変えていただけますか | Could we reschedule the meeting? |
| 木曜に組み直せますか | Can we reschedule it for Thursday? |
| リスケしていただきありがとうございます | Thank you for rescheduling. |
| 打ち合わせがリスケになりました | The meeting has been rescheduled. |
前置詞にも癖があります。日付には for、時刻には to や for が使われます。reschedule for Monday(月曜に組み直す)が自然な形です。
もう少しやわらかく言いたいときは、move を使う手もあります。Could we move the meeting to next week?(来週に動かせますか)は、reschedule よりくだけた響きで、社内の会話でよく使われます。
「リスケ」と間違えやすい言葉|延期・中止・前倒し
リスケと似た場面で使われる語を、英語とセットで並べます。違いは「予定がどうなるか」だけ見れば整理できます。
| 日本語 | 英語 | 予定はどうなるか |
|---|---|---|
| リスケ | reschedule | 別の日時に置き直す(新しい日時が決まる) |
| 延期 | postpone / put off | 後ろにずらす(日時未定のこともある) |
| 中止 | cancel / call off | なくなる |
| 前倒し | move up / bring forward | 前にずらす |
| 順延 | postpone (to the next day) | 翌日など次の機会へ送る |
postpone は「後ろ」にしか動きません。reschedule は前にも後ろにも動けます。「前倒しでリスケ」という言い方が成立するのはそのためです。
cancel と混ぜないことも大事です。英語で The meeting has been cancelled. と言ってしまうと、相手は「その件は無くなった」と受け取ります。組み直すつもりなら rescheduled を使ってください。
「リスケ」を音から覚える|シャドーイング用の練習文
意味を知っていても、とっさに口から出なければ使えません。短い文を、音を真似ながら声に出すのがいちばん早い方法です。
まずはゆっくり、区切りながら3回。次に自然な速さで3回。合計6回で、reschedule の /skedʒ/ が口に馴染みます。
- Could we reschedule? (クッ・ウィ・リスケジュー)
- Could we reschedule the meeting?
- Could we reschedule the meeting for Thursday?
- Sorry, I need to reschedule our call.
- The interview has been rescheduled for next Monday.
- Thanks for rescheduling on such short notice.
1から6へ進むにつれて文が長くなります。短い文が言えないうちに長い文へ進まないのがコツです。1が完全に言えるようになってから2へ移ってください。
口の形も1か所だけ意識します。sk のところで、舌の奥を上あごにつけてから離す。ここができると、school も scheme も同じ音で読めるようになります。
「リスケ」とつながる言葉のネットワーク
ひとつの語を覚えるとき、同じ部品を持つ語をまとめて覚えると定着が早くなります。reschedule を分解して、それぞれの方向へ広げてみます。
| つながり方 | 語 | 意味 |
|---|---|---|
| re-(再)でつながる | restart / rebuild / rewrite / rearrange | 再開する/建て直す/書き直す/並べ替える |
| schedule でつながる | on schedule / behind schedule / ahead of schedule | 予定どおり/予定より遅れて/予定より早く |
| sch = /sk/ でつながる | school / scheme / scholar / schema | 学校/計画/学者/図式 |
| 予定を動かす動詞 | postpone / move up / cancel / delay | 延期する/前倒す/中止する/遅らせる |
とくに behind schedule(予定より遅れている)は仕事で頻繁に出てきます。We’re behind schedule. は「遅れています」の定番表現です。
「リスケ」が使えるか試す練習問題
読んだだけでは身につきません。答えを見る前に、口に出して言ってみてください。
- 問題1 「木曜に日程を組み直せますか」を英語で
Could we reschedule it for Thursday? ── 日付には for を使います。
- 問題2 次のうち「予定がなくなる」のはどれか ── reschedule / postpone / cancel
cancel。reschedule は置き直し、postpone は後ろへずらす。予定そのものは残ります。
- 問題3 schedule の sch はどの音か。school と同じか、違うか
アメリカ英語なら school と同じ /sk/。イギリス英語では /ʃ/ になり、school とは別の音になります。
- 問題4 「面接が来週月曜にリスケされました」を英語で
The interview has been rescheduled for next Monday. ── 自分が動かしたのでなければ受け身にします。
- 問題5 「予定より遅れています」を schedule を使って
We’re behind schedule. ── 逆は ahead of schedule(予定より早い)、そのままなら on schedule。
5問すべて口に出して答えられたら、この語はもう使えます。詰まった問題があれば、その章だけ読み直してください。
「リスケ」のよくある質問
- リスケと延期は何が違いますか
リスケは新しい日時に置き直すこと、延期は後ろにずらすことです。リスケは前倒しにもできますが、延期は後ろにしか動きません。英語では reschedule と postpone にあたります。
- 英語で「リスケ」と言っても通じますか
通じません。リスケは日本語の中でできた略語です。英語では略さず reschedule と言います。Could we reschedule? が最も使いやすい形です。
- schedule はスケジュールとシェジュールのどちらが正しいですか
どちらも正しい発音です。アメリカ英語では /ˈskedʒuːl/、イギリス英語では /ˈʃedjuːl/ と読みます。日本の英語教育は米音が基準なので、まずは /sk/ で覚えて構いません。
- リスケは目上の人に使ってもよい言葉ですか
社内の会話なら問題ありませんが、社外や目上には「日程を変更させていただけますでしょうか」と言い換えるほうが安全です。相手が略語を知らない可能性もあります。
まとめ|「リスケ」はこう覚える
- 意味:予定を別の日時に置き直すこと。中止でも単なる延期でもない
- 語源:re-(再)+ schedule(予定)。schedule はラテン語の「小さな紙片」から
- 発音:米 /ˌriːˈskedʒuːl/、英 /ˌriːˈʃedjuːl/。sch はかたまりで1音
- 英語で言うなら:Could we reschedule the meeting for Thursday?
- 混ぜない語:postpone は後ろだけ、cancel はなくなる
リスケという略語を覚えることと、英語の reschedule を使えることは別のことです。この記事の練習文6本を声に出しておけば、次に日程変更が必要になったとき、英語でもそのまま言えます。
出典・参考文献
この記事の語源・綴り・発音についての記述は、以下の資料で確認しました(最終確認:2026年9月4日)。
- schedule の語源(後期ラテン語 schedula「紙片」、ギリシャ語 skhidē「裂片」/14世紀末の cedule・sedule 表記/15世紀にラテン語をまねて sch- 綴りが始まったこと/英国式の発音はフランス語の影響、米国式はウェブスターによること)= Online Etymology Dictionary「schedule」
- reschedule の発音記号(英 /ɹiːˈʃɛdjuːl/、米 /ɹiˈskɛdʒʊl/)と語構成(re- + schedule)= Wiktionary「reschedule」
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